薬菜 情報提供

無農薬は野草に備わった能力
12/19 13:49

　植物には本来、虫や細菌からの攻撃を防御する能力が備わっています。そうでなければ、生き残れないからです。しかし、長い間、収量や味の向上を目指して栽培されてきた野菜はその能力を失ってしまいました。現在の野菜のなかにはまだその力を持っている種があります。チコリーの根は、畑作土壌害虫で知られる線虫に対しても殺線虫作用をもっていることが見出されています（西村弘行『北の健康野菜』北海道新聞社、2011）。また、タマネギなどのネギ属野菜では、微生物や昆虫などの外敵から攻撃をうけると内在性酵素が働き、多量に存在する含硫アミノ酸との反応で植物防御物質を生成します。また、南米アンデス高地原産のヤーコンは野草により近いためか、病原虫に抵抗性をもっています。これらの植物は真の意味で無農薬栽培が可能なのです。

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